昔は家でも飼われていた烏骨鶏はペットとして飼う、というよりは学校の飼育小屋で飼われているイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
また、ペットというより卵が効果で栄養価も高いことや美味しさから、その名前を初めて知ったという方もいらっしゃると思います。
綺麗でふさふさした白い羽とそれとは逆に黒い顔や手足のコントラストがなんとも美しい烏骨鶏。
高級感もあり、ペットになりそうにないと思いきや、ニワトリと一緒に飼えるなど飼育方法は決して特殊ではないのです。
しかも、人にもなつきやすく芸を覚えたり、名前を呼ぶと来てくれたりするなど、とても可愛らしい習性もあるのをご存知でしょうか。
そこで烏骨鶏を飼育する前に、その生態を知ることから始めましょう。
また、飼育に必要な餌・環境などの注意点についても解説いたします。
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烏骨鶏の生態 昼行性? 夜行性?
見た目について
烏骨鶏の見た目における特徴といえば、毛が真っ白くてふわふわしていることです。
綿毛のような毛を丁寧に手入れしてあげることで、驚くほど綺麗な毛並みになります。
この毛などの美しさから、最近はペットとして飼育する人が増えてきており、美しさを競う品評会も行われているほどです。
もう一つの大きな特徴としているのが顔や手足の黒さです。
烏骨鶏の「烏」の字ですが、言うまでもなく、「からす」のことであり、「黒い」ことも意味しています。
実は烏骨鶏は、皮膚だけでなく内臓や骨までも黒色です。中には、羽毛も黒い品種もいます。
サイズは普通のニワトリに比べると小さいです。
ですが、毛のボリュームがかなりあるため、実際の体の大きさは更に小さいと言えます。
また、足の特徴もニワトリとは異なります。
ニワトリには前向き3本の指と後ろ向き1本の指がありますが、烏骨鶏は前向き3本と後ろ向き2本と、他の種類の鳥とは大きく異なる特徴を持ち合わせています。
気になる卵は?
烏骨鶏を知るきっかけとして滋養強壮のある卵が美味しい、でも高価!という方も多いと思います。
卵を買おうとすると、一つ当たり500円することもあります。
でも、卵は濃厚でおいしいですよね。
なぜ烏骨鶏の卵は栄養価が高く、高値なのでしょうか。
それは産卵の頻度が少ないことが大きな理由です。
烏骨鶏は、年間で100個満たないくらいであり、寒い時期は全く産卵をしません。
普通のニワトリに比べ、半分以下の数しか卵を産めないといわれています。
つまり、通常のニワトリの卵の2倍の栄養価が烏骨鶏の卵にはあるということにもなるのです。
卵のサイズは普通のニワトリの卵でいうところの、Sサイズくらいで殻の色はオフホワイトです。
卵を産むくらいになると、カルシウムの摂取が必要になってきます。
エビやカニ、卵の殻などを細かく砕いて与えるか、カルシウム成分の高い餌を与えるなどしましょう。
美しい見た目の鳥として飼えるだけでなく、美味しくて栄養価の高い卵まで産んでくれたら、おさら愛おしくなりそうですよね!
烏骨鶏の行動
烏骨鶏は頭の良い鳥と言われています。
名前を付けてあげると、覚える鳥もいるそうで、呼ぶと近づいてくるそうです。
餌を人間の手から食べることもでき、力加減も備わってくるような鳥であり、決して攻撃的な鳥ではありません。
ですが、多頭飼いの場合は烏骨鶏どうし喧嘩をすることもあります。
その場合は、喧嘩をしやすい鳥同士を別の場所に離すなどの対応が必要になってきます。
また、鳥ですのでやはり鳴き声が気になります。
泣くのはオスの鳥で「コケコッコー」と鳴きます。
朝の鳴き声など、とても大きい場合もありますので、雄雌についてしっかり考慮したうえで飼育を始めるべきです。
また、小さいうちは雌雄の見分けが難しいため、ある程度大きくなった雛鳥が一般的には販売されています。
また、烏骨鶏は夜高いところに上る習性があります。
そのため、登り木など登れる場所の設置をしてあげましょう。
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烏骨鶏の食事・餌は何? 1日どれだけ必要?
市販されているとうもろこしなどが配合してある一般的なニワトリの餌で構いません。
ただし、卵を産むなど烏骨鶏の行動も成長とともに変わってきますので、成長に合わせて餌の種類を変えていく必要があります。
餌代はおよそ月々1000円程度でしょう。
生後4週間程度まで
市販されているヒヨコの餌で大丈夫です。
生後4週間を越えてから産卵可能な時期まで、産卵をしなくなったら
市販されている成鶏用の餌で大丈夫です。
産卵時期になったら
卵を産み始めたら、産卵用の餌があります。
カルシウムなど、産卵に必要な成分が多く含まれているものです。
市販の餌以外は?
最近の市販の餌はかなりよくできているため、栄養面で問題はありませんが、あまり好き嫌いがなく、葉っぱや野菜・果物、バッタのような虫や地中の幼虫などももちろん食べます。
飼育エリアに生えている草などはもちろん、食べてしまいますし、入ってきた虫なども同様です。
ただし、草については農薬や肥料の付着には気を付けましょう。
無農薬であれば、烏骨鶏も喜びますし身体にも問題ありません。
また、果物などを与える場合は、小雛の時は細かく刻み食べやすくする必要があります。
また、当たり前ですが、餌だけでなく飲み水も必要です。
頻繁に交換する必要はないですが、なるべく清潔を保つように毎日交換しましょう。
水道水の場合は一晩汲み置きして、余計な成分が飛んだ水を与えたほうがベターです。
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烏骨鶏を飼うために必要なグッズ
烏骨鶏は鳥ですので、どうしても室内よりは室外で飼うことになります。
もちろん室内で飼うこともできますが、トイレを覚えることもできませんので汚れてしまいます。
外であれば、太陽の光にもあたりますし、のびのびとすることができ、遊んでいられます。
鳥にとっては、やはり外のほうが良さそうですよね。
小屋を作ってあげる場合は、暑さに弱い烏骨鶏のために通気性の良い部屋を用意しましょう。
部屋の温度は20度~30度ぐらい、一畳くらいのスペースであれば5羽程度の飼育が可能です。
外で飼育する分、天敵対策には気を付けなくてはなりません。
よくあるのが、野良猫やヘビなどです。
他にも、タヌキやイタチ、イノシシ、カラスやトンビなど・・・外で飼育している限り、近くにいる野生の動物たちの多くは敵になりかねないのです。
大切なペットですから、人間が十分な対策を取ってあげましょう。
さて、どのような対策が必要なのでしょうか。
防獣ネット
ホームセンターなどで売っている大きな防獣ネットを使い、トンビやカラスなど上から襲ってくる野鳥や動物の対策をしましょう。
小屋のサイドからネットを張り、隙間ができないようにします。
ただし、あまりに低い位置にネットがあると、経年変化でたわんだ場合、止まり木などから烏骨鶏が引っかかってしまったり、場所によっては猫などの動物がよじ登ってしまったりする可能性もありますので、設置にはある程度の高さも必要です。
網目の細かいフェンス
通気性を意識すると、小屋の壁はフェンスで作るのが良いですが、天敵対策を考えると網目の細かいフェンスがあるとよいでしょう。
ヘビや猫などの天敵は細長い体や手足を伸ばして侵入してきたり、引っ掻いてきたりします。
そのため、細かいフェンスを備えることで侵入を防ぎます。
土や砂、腐葉土
床は土や砂が良いです。
烏骨鶏は土や砂を摂取し、そこから有用菌を体内に取り込むことでヘルスケアをしています。
そのため、腐葉土などでも大丈夫です。
他にも、枯れ草やもみ殻などでも構いませんし、合わせて産卵箱や止まり木など烏骨鶏が過ごしやすい環境づくりをしてあげましょう。
コンクリートブロックなど地中からの侵入を防げるもの
動物によっては地中から小屋に侵入してくる動物もいます。
そのため、土を掘ってコンクリートブロックなど硬いものを入れ、その上にフェンスを立てることで、下からの侵入を防ぐという方法があります。
大切なペットを守る手段はこのようにいくつかありますが、いずれにせよ、飼い始めは頻回にペットや小屋の状況を見に行ってあげ、必要があれば改善をしていくことが大事です。
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烏骨鶏がかかりやすい病気
近年最も恐れられているのはやはり、鳥インフルエンザでしょう。
鳥インフルエンザ
インフルエンザは人でも同じですが、感染病です。
菌を持った他の鳥のフンなどから感染します。
そのため、近くで感染があった場合は隔離し、他の鳥類との接触を防ぐことが重要です。
インフルエンザウイルスは空中を舞いますが、地面にも付着します。
そのため、鳥の中でもキジ目やカモ目など、地面に落ちている餌を食べるような鳥は鳥インフルエンザにかかりやすいとされています。
複数の烏骨鶏を飼育している場合は、定期的に飼育小屋全体を消毒するなどの措置が必要になってきます。
消毒は逆性石鹸・塩素系などの一般的な薬局で売っているものでウイルスは死滅します。
小屋全体に希釈したものをスプレーしますが、小屋の入り口などは念入りにスプレーします。
また、鳥インフルエンザをもらわないためにも、防獣ネットなどを使い、他の鳥類との接触をしない対策を打つ必要があります。
また、人への二次感染も気になります。
万が一、鳥インフルエンザに感染したと思われても、烏骨鶏の排せつ物に触れなければ感染の心配は低くなります。
触れたとしても、手洗い・うがいや手の消毒を行うようにしましょう。
家禽類を飼育する場合は、事前に行政に対し申し出が必要です。
申し出をすることで行政側はどこに家禽類がいるかを把握しきることができますので、どこかで感染が発生した際の情報提供や拡大を防ぐ対策をいち早く取ることができます。
皆さんも烏骨鶏を飼育されるときや、烏骨鶏が感染病にかかったと思われたときは病院や行政に相談することで、冷静な対応をするようにしましょう。
また、ワクチンの接種も確認してください。
飼育用に販売されている烏骨鶏の中には、ワクチン接種がされていないものもありますので、購入前の確認をしましょう。
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烏骨鶏の基本データ
原産国 | 不明 |
---|---|
寿命 | 10~15年程度 |
体重 | 900g~1100g程度 |
体長 | 30cm~40cm程度 |
性格 | 頭がよく、人にも懐きやすい |
価格帯 | 3000円程度 |
原産国
世界各国の文献からは、原産国は中国や日本と捉えられる記述が残されておりますが、どれも確かではありません。
寿命
10~15年程度と言われています。
体重
オスは1100g程度、メスは900g程度です。
体長
オスは40cm程度、メスは30cm程度です。
性格
頭がよく、人にも懐きやすいことで、近年飼育が増えています。
価格帯
3000円程度です。里親募集などもかなり見受けられます。
飼育を検討される場合は、一度、里親募集も覗いてみるのも良いかもしれません。
まとめ
ペットとして烏骨鶏を飼うには、やはり大切なペットとして飼う以上はその習性を知ることで、天敵から身を守ってあげるなどしなくてはなりません。
外で鳥を飼ったことがないひとにとってみれば、最初は試行錯誤が必要かもしれませんが、烏骨鶏が過ごしやすい環境を第一に考えることが最重要です。