シベリアンハスキーといえば「オオカミの混血」というイメージが強いかと思います。
日本ではオオカミが日常ではあまりよく知られていないため怖いイメージや野生に近い動物なのではという印象を持つ方も少なくありません。
シベリアンハスキーは大きいもので60センチほどにも成長する大型犬で、その姿はまさに本物のオオカミのようです。
全体的に骨格も筋肉も全てががっちりしている体つきで一見怖そうに見えますが、それでいてしなやかな装いと綺麗な毛並みには美しさも感じられます。
その北の地を思わせるブルーやグレーのキレイな瞳や黒と白の独特な毛色に魅了されてシベリアンハスキーを飼い始める人も多いでしょう。
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シベリアンはスキーの生態 昼行性?夜行性?
シベリアンハスキーはカナダ北極圏からシベリアにかけての地域が原産の犬種です。
シベリアンハスキーの意味はシベリアン=シベリアの、ハスキーは北米の毛皮行商人や探検家がエスキモーのことを称してハスキーと称していたことが名前の由来です。
もとは遊牧民の牽引役として役に立っていた犬で、飼育犬として注目されたのは北アメリカの犬ぞりレースで好成績を出したことで犬ぞり愛好家の間で注目されました。
性格は陽気でおおらかな性格なので家族になるには最適な犬種です。
遊んだり子供などとたわむれることが好きな社交性のある犬種でもあります。
雪国出身ということもあるのか雪遊びが好きで飼い主の体力が尽きるまで大喜びで遊ぶこともしばしばあります。
また、犬は総じて昼行性です。もとは夜行性でしたが人間と生活をしている間に昼行性へと変化した歴史があります。
それだけ長い歴史の中人間と生活を共にしていたのです。
その名残なのか、日中の間など明るい内は仮眠のような状態でいつでも何事にも対応できる状態にしています。
たいがいの犬種は夜間に眠って、明け方に起きるという生活サイクルを送っています。
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シベリアンハスキーの食事・餌は何? 1日どれだけ必要?
シベリアンハスキーはとても野生的なオオカミのような外見をしていながら、とても人懐こい性格をしています。
大きい個体で27kgほどにもなるシベリアンハスキーは、たくさんの餌を食べる印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
シベリアンハスキーは、意外にも食べむらが多い犬種で知られています。
毎日の運動量と餌を与える量のバランスが崩れることで肥満につながりやすく、肥満から誘発される骨や関節の病気に罹患しやすい犬種のため、与える餌の量は気を付けなければなりません。
通常、シベリアンハスキーに与える食事量は、体重の約2.5%が適量となります。
カロリーは体重1kgあたり50〜100kcalとなるように計算しましょう。
この計算方法は成犬の場合であるため、子犬やシニア犬の場合はこれより30%減にして与えるようにしてください。
与える餌は、ドライフードやウエットの缶詰が良いです。
また、好き嫌いが多く食べむらのあるシベリアンハスキーもいれば、きれいに餌を食べてしまう犬もいるため、実際には個体差は非常に大きい犬種であると言えます。
この時、どのようにして餌の適量を見分けるかについては、便の状態を確認するようにしましょう。
便が柔らかい場合は餌の量が多く与えすぎである、逆に硬い便の場合は餌の量が少なすぎると考えられます。
便は毎日耳たぶほどの柔らかさである状態が健康だと言われています。
このようなことから、シベリアンハスキーは、一般的な1日の餌の摂取量は割り出すことができますが、個体差によって与える餌の量を調整しなければならない犬種であることが分かります。
月齢に応じた餌の量
月齢 | 1回あたりの餌の量 | 1日の食事回数 |
2〜3ヵ月 | 150g(体重4kgの場合) | 3〜4回 |
4ヶ月〜7ヶ月 | 150g〜(体重の2.5%) | 2回 |
7ヶ月~1歳6ヶ月 | 200g〜(体重の2.5%) | 2回 |
1歳6ヶ月〜7歳 | 300g(体重25kgの場合) | 2回 |
8歳以降 | 240g(体重30kgの場合) | 2回 |
シベリアンハスキーは、子犬である2〜3ヵ月の頃は、食事量や回数、ドックフードの方さはそれまで飼育されていた状態と同じ状態で餌を与えてください。
これは急な胃腸障害を引き起こさないようにするためです。
自宅出産した子犬の場合は、高カロリーなパピー用のドックフードを犬用のミルクでふやかすなどして与えましょう。
4ヵ月〜7ヵ月頃の子犬は、便の様子を確認しながら少しずつ硬いドライフードの状態で食べることができるよう慣らしていきましょう。
7ヵ月〜1歳6ヵ月頃になると、生まれた頃から比較しても身体も大きくなっていますが、まだ体重が安定しないことも多く、この月齢からは成犬用フードへ切り替えて与えるようにしてください。
1歳6ヵ月〜7歳頃までは、体重が激しく増減しないよう、食事に気を付けましょう。
成犬用フードで肥満がみられた場合はダイエット用ローカロリーフードに切り替えて与えるようにしてください。
その際、獣医師による診断やおすすめのフードなどを尋ねてみると良いですね。
8歳以降、シニア期になると、消化吸収機能や咀嚼力が衰えるため、ドライフードは少しふやかして与える方が良いでしょう。
老犬となると歯が抜けてしまい、1回に多くの餌を食べることができなくなる犬も多くなるため、その際、1回あたりの食事量を減らし、複数回に分けて与えるようにしましょう。
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シベリアンハスキーを飼うために必要なグッズ
自分の住みかとなる小屋
シベリアンハスキーをおうちに迎えようとするにあたって「室内で飼う」という方はかなり限られてくると思います。
それもそのはず、シベリアンハスキーはもともとシベリアの北の地でソリを引くために生まれた大型犬のため力も非常に強く行動範囲が広いため、狭い室内でおとなしく育てようというのはかなり無理な話なのです。
そのため屋外での生活が彼らにとっては1番適応しているため住みかとなる小屋が必要になります。
集団で行動する彼らにとってこの自分のテリトリーを確立させてあげるためにきちんとした小屋を用意してあげましょう。
なぜなら彼らは集団生活で「主」となるリーダーを見つけそれに従う性格のため“ここは居心地が良くない”とか“この主人にはついていけないな”と感じると新しいリーダーを探す傾向にあり、自分のテリトリーに満足しないと脱走を繰り返すことも少なくないからです。
実際にシベリアンハスキーを飼っていてこの逃走癖に悩まされる人が多いのもこれが原因とも言えます。
長時間の散歩に必要な散歩グッズ
シベリアンハスキーは大型で非常に体力のある犬種のため、通常の犬の倍以上の散歩を必要とします。
そのため最低でも1日に2回朝晩それぞれ1時間以上の散歩が必要になります。
そしてハスキーはそりを引くように生まれた犬種のため散歩の際にも飼い主を引っ張る癖が他の犬と比べると強く自己主張が強いようにも感じられます。
ハスキーの散歩に必要なグッズとして引っ張られることに耐えられる大型犬用の太めのがっちりしたリードを用意するようにしましょう。
また長時間の散歩に必要なアイテムとして途中で水分補給ができる犬用の携帯水筒なども持っていくようにしましょう。
リードの太さは大型犬専用のものでも大丈夫です。
いくらそりを引く犬だからといってもそりを引く際は全体のスピードに合わせる能力も持っていたため“引き追い”をしないようにきちんとしつけをし、リードの劣化を防ぐようにしていけば大型兼用のリードの太さで充分なのです。
量の多い毛を手入れするブラシや体のケアグッズ
シベリアンハスキーは生まれが北国の犬種のためふさふさで多めの毛が必要でした。
そしてその毛は年中通して手入れが必要で中でも気抜けの時期には特にブラッシングをまめにする必要があります。
というのも、ブラッシングをしないでそのままにしておくとホコリがたくさんついたりダニなどの発生にもつながるからなのです。
日本は北国と違って温度も湿度もあり虫が発生する確率も非常に高いためまめなブラッシングでそれらを予防してあげることも大切なケアの1つです。
そしてそのブラッシングに必要なブラシが1本ではなく部分で分けられるいくつかのものを使用するとケアをする際に便利になります。
全体をブラッシングする前にもつれてしまった部分を解いたりからまった毛をすくのに使用するスリッカーブラシというものがその1つで、体全体の抜け毛を取り除くことができる上に絡みも解いてくれるブラシです。
スリッカーブラシは切れ味が良いため使用する際はハスキーの皮膚を傷つけてしまわないよう気を付けながら使用してあげるようにしましょう。
また耳の周りや足の付け根など傷をつけてしまうと大変な場所をブラッシングする際にはピンブラシを使って毛並みとは反対に逆らうようなブラッシングをしてあげることで毛を整えることができます。
そして最後に人間も使うような横長のコームを使用し、全体にからまりがないかチェックしながらブラッシングをしてあげることできれいな毛並みが保たれ、健康な毛質を守れるというわけです。
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シベリアンハスキーがかかりやすい病気
白内障
シベリアンハスキーが最もかかりやすい病気とされているのが白内障です。
それはシベリアンハスキー特有のきれいな北国を思わせるブルーの瞳のせいでしょう。
もともとシベリアに住んでいたわけですから日本と違い氷土の覆う世界で生活していて日照時間が短いうえに空が厚い雲に覆われていることから日差しの強さとは無縁の世界にいたのです。
そのため日本の紫外線や特に夏場の暑さなど、シベリアとは全く違う環境に目の色素がついていけなくなるのです。
またシベリアでは質素な食事がメインとされているのにもかかわらず日本では栄養素のばっちりあるペットフードなど健康的なものが多いため、栄養分過多になりすぎるのも目の代謝のバランスを崩しているとも言えます。
靭帯損傷
シベリアンハスキーはたくさんの運動量を必要とする大型犬です。
通常の生活の中でも飛んだり跳ねたりが大好きな犬種のため、自由にさせているとその大きな運動量から靭帯を傷つけてしあうことも少なくありません。
雪国でそのような行動をしていても地面が柔らかな雪であったときは長時間の散歩もジャンプもさほど問題ではなかったのです。
しかし、現代の日本ではアスファルトがメインの道路でその道を毎日何時間も散歩しなければストレスが溜まってしまうわけですから靭帯を痛めてしあうことも仕方ありません。
けれど靭帯を損傷していればなんらかのサインを出してくれるはずです。
毎日の散歩で動作を観察しいつもと違っていないか、痛そうに歩いていないかなどサインを見逃さないようにしましょう。
皮膚アレルギー
シベリアンハスキーは持ち前のふさふさの毛から高温多湿の環境下で皮膚炎を起こしてしまうことがあります。
それはこまめなブラッシングで防ぐこともできるのですが、なにしろ四季のある変化にとんだ日本ではその環境に適応するのは非常に困難なのです。
梅雨の時期は湿度の高さに、夏の暑さには体温調節の難しさから皮膚炎を起こしてしまうこともあるのです。
アトピー性のアレルギーは成犬になってから発症することが多く薬での治療や皮膚炎に効くドッグフードなどを利用することで改善できます。
ただし重症の皮膚炎になってしまうと1度毛を除去し培養検査などを行ったうえで判断されることもあります。
ですので、できるだけ日ごろの生活からかゆそうにしていないか、変わった様子はないかなどと観察しておくようにしましょう。
病院での検査はほとんどが1日で終わるため検査が必要とされることがあっても早期発見はできると思います。
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シベリアンハスキーの基本データ
原産国 | シベリア |
---|---|
寿命 | 12~15歳 |
体重 | 15~30キロ |
体長 | 50センチ前後 |
性格 | 好奇心旺盛 穏やか 仲間意識が強い |
価格帯 | 150,000~300,000円前後 |
原産国
原産国はシベリアで北国出身なのですが、原産国から仕入れられたのちにアメリカで交配が行われた際に瞳がブルーになったとも言われています。
けれどもとはシベリアの犬なのでルーツとしてはシベリア出身と言われるのが一般的です。
体重
体重の幅にさが大きいのもシベリアンハスキーの特徴です。
それはオスとメスの体重に差があるためでしょう。
体長の差があまりないのにもかかわらず体重差が出る理由としては筋肉のつきかたに差があるからともいえるでしょう。
もともと群れで行動し、オスとメスの役割をきっちり決めている集団生活の中でオスの体格とメスの体格に差が生まれたと思えます。
体長
体長は50センチ前後でやはり大型犬の中でも迫力のあるサイズとなっています。
そのうえ毛並みがふさふさなので実際のサイズはもっと大きく見えることでしょう。
仔犬のころはもちろん小さいサイズなのですが成犬になるまでのスピードが非常に早く、あっという間に50センチ前後のサイズまで達してしまいます。
雪国を走る脚力から足もしっかりとして長く、全体の体長プラス足の長さが加わるためやはり立派で迫力があるイメージがもたれるでしょう。
性格
シベリアンハスキーの性格は見た目と違って実は穏やかで優しい面を持ち合わせています。
強いものほど心が広いといったところでしょうか。
そして何より群れで生活してきた犬種ゆえに仲間意識が非常に強く、飼い主や家族と1度仲良くなるとその絆は計り知れないものになります。
絆を感じさせてくれる犬種としてはナンバーワンなのではないでしょうか。
価格帯
シベリアンハスキーの仔犬の価格も非常に幅があります。
そのわけはハスキーの交配が難しいことから血統がしっかりしているチャンピオン犬くらいのグレードになると300,000円前後のものもでてくるためです。
そしてその血統プラス、ハスキーで重要視されるのがその自慢の毛並みと白とグレーの毛のデザインに関係してくるのだとも言えます。
パッとみたときにりりしく見える白とグレーのコントラストだったり、バランスの良いデザインの配置だったりするハスキーはペットショップやブリーダーでも高く評価されるのです。
逆にそれほどデザインにこだわらないのであればハスキーの価格はぐっと落ちますが、それでも病気のしないような健康で立派なハスキーを求めるのであれば相応の価格を覚悟しなければなりません。
まとめ
シベリアンハスキーは飼うことが非常に難しいとされています。
ですが、それは長時間の散歩や大きな体をケアしてあげることへの負担からくるものです。
性格上は非常に優しく仲間想いの犬種のため、生活環境のケアさえしていければ十分楽しく一緒に暮らしていけます。
仲間を大切にするシベリアンハスキーには愛情をたっぷり注いであげることが何より大切です。