ヤギは、かわいくて人に良くなつく動物で動物園やふれあい広場でよく見かけます。
餌やりができるところでは、子供たちがヤギに餌の野菜スティックをあげて楽しくコミュニケーションを深めます。
昔、テレビで放送されていた「アルプスの少女ハイジ」でも主人公のハイジがかわいがっていた仔ヤギのユキちゃんを思い出す人も多いかもしれません。
ハイジの周りをうれしそうにピョンピョン跳ねてまとわりつく様子などは、本当にかわいいのでそばに置いておきたくなるのではないでしょうか。
そのようなかわいいヤギの魅力にとりつかれてペットとして飼ってみたいと思う人が増えてきています。
まだ、イヌやネコのようにペットとして飼う人は多くはありませんが、いくつかの注意点があります。
ヤギとはいったいどんな動物なのかヤギの生態をはじめ食事や飼育グッズ、そしてトイレのしつけ方などのヤギの飼育の方法についてご紹介しましょう。
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ヤギの生態 昼行性? 夜行性?
ヤギは、ウシ科ヤギ属に属し、昼行性で草食性の動物です。
ヤギは、大昔から私たちにとって身近な動物で家畜として飼育されてきました。
ヤギの乳質は牛に近く、そして乳用や毛用、肉用、乳肉兼用など、品種によりさまざまな用途があります。
ヤギの乳は、牛乳アレルギーのある人にとっては朗報で代替飲料として飲まれています。
ヤギの乳は、乳糖が少なく消化にも良いとされるほか、アトピー性皮膚炎にも有効であると言われています。
また、粉乳やチーズ、アイスクリームなどさまざまな加工品が作られています。
乾燥に強く、粗食にも耐え、険しい山岳地帯の環境でも生活できる動物です。
ヤギは、人になつきやすく初心者や高齢者にも扱いやすいと言える動物です。
ヤギは、仕草や表情、鳴き声などで自分の感情を伝えようとします。
ヤギと信頼関係が深まればよりコミュニケーションがスムーズになります。
ヤギの目は長方形で、天敵の肉食動物から身を守るために目を50度近くも回転させることができます。
野生のヤギは崖を登ることができ、とても発達した身体能力が備わっています。
ヤギは、一般的に高いところが好きな習性があり、崖だけでなく高い木にも登ります。
そして、ヤギは、自分の力を誇示したい時やけんかをしたい時に頭突きをします。
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ヤギの食事・餌は何? 1日どれだけ必要?
ペットとしてのヤギの餌は、主食が牧草でその他にはさつまいもなどの穀物類をおやつとして極少量与えましょう。
それから、ヤギは草食動物なので動物性のものはいっさい食べません。
朝と夕方の2回与え、体重の約8%が理想の餌の量といえます。
ヤギは、穀物や木の葉、硬いどんぐりなどの木の実も食べることができます。
また、ヤギが紙を食べるという話や歌などがあるので紙を食べると勘違いしがちです。
しかし、最近よく使用されている洋紙については、絶対に食べさせてはいけません。
ヤギが、紙を食べてしまうと消化できずに腸閉塞を起こす危険があります。
昔は、ほとんどの紙が植物のみで作られていたので食べても問題ありませんでした。
また、鉱塩はミネラル補給のために必要です。
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ヤギを飼うために必要なグッズ
ヤギを室内で飼うときに必要なものは以下のとおりです。
ゲージ
家を留守にするときや構ってあげる時間がないときそして、夜間などはゲージに入れておく方がいいでしょう。
ヤギを家で放し飼いにしていると大切な家具や電化製品などにいたずらをするなど部屋を荒らされるようなことがあります。
ヤギ専用のグッズの販売は、あまりされていませんので大型犬用のもので代用することをおすすめします。
トイレ
トイレは、衣装ケースなどでも代用できます。
餌入れ
ヤギが食べやすいように工夫してちょうど良い高さの台を設置し、その上に餌入れを置くようにするといいでしょう。
飲み水
飲み水は、バケツでも大丈夫ですが軽いものだとすぐにひっくり返すのでそうならないように水入れを固定するか、重石をつけておきましょう。
床材
偶蹄類で蹄のあるヤギは、普通のフローリングを施した床では滑りやすく転倒する可能性があります。
逆に、毛足の長いカーペットは、ヤギがかじってしまう可能性が高いのです。
ヤギの行動スペースの床は、凹凸のあるビニール製の床材やコルクなどを敷いておくといいでしょう。
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ヤギがかかりやすい病気
ヤギは、丈夫なので病気にはなりにくく環境適応能力の高い動物です。
しかし、有害な植物を食べてしまうと中毒症状を引き起こしたり、寄生虫による病気にかかったりするので注意が必要です。
めったにかかることはないと思われますが、ミニヤギを飼っている場合に気をつけたい病気は、蚊が媒体となる腰麻痺があります。
この腰麻痺にかかるとヤギにとっては致命傷になります。
予防する方法は、蚊の駆除を徹底することと、予防接種を受けさせることです。
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ヤギの基本データ
原産国 | 日本、アルプス、アフリカ、スイス、カシミール地方など |
---|---|
寿命 | 約15~18年 |
体重 | 約20~140㎏ |
体長 | 約130~150㎝ |
体高 | 約41~58㎝ |
価格帯 | 約5,000円~20,000円 |
原産国
日本ザーネン
原産国は、日本です。
スイス原産のザーネンと日本在来種シバヤギを品種改良したものでメスは約60㎏、オスは約90㎏です。
シバヤギ
長崎県西彼杵半島、五島列島に生息しています。
日本在来の小型で丈夫なヤギで体重は、約20~25㎏で、飼いやすいヤギです。
シバヤギは、ふれあい動物園などやペットとしてよく見かける品種です。
色は白色が多いですが、グレーやクリーム色もいます。
トカラヤギ
鹿児島県トカラ諸島、奄美諸島に生息しています。
小型の肉用ヤギで体重は約25~30㎏です。
トカラヤギもふれあい動物園やペットとして飼われています。
アルパイン
アルプス原産の乳用種で色は、白色・茶色・黒色などさまざまです。
背中にたてがみのような毛があり、大きさはザーネンに近いです。
ヌビアン
アフリカ原産のヤギで主に乳用で利用しますが、肉や皮も利用されます。
耳が長く垂れさがっているのが特徴でメスが約110㎏、オスが約140㎏で、ヤギの中でも大型です。
色は、白色や茶色などさまざまです。
トッケンブルグ
スイス原産のヤギで乳用種です。
色は、チョコレート色や褐色、白色が主体です。
仔ヤギのうちは、目の上から鼻にかけて2本の白い線が入っています。
ボーア
アフリカ原産の大型肉用種で体重が約90~130㎏です。
体格は、がっしりとしていて特徴は耳が長く垂れているところです。
色は、体が白色で頭部が赤褐色です。
カシミア
中央アジアのカシミール地方原産の毛用種で、色は、白色・茶色・黒色などさまざまです。
寿命
ヤギの寿命は、約15~18年といわれ、比較的長寿な動物です。
体重
ヤギの体重は、約20~140㎏(成体)で、品種によりさまざまです。
ミルクや乳製品のためにヤギを飼うのであれば大型タイプの日本ザーネン種が良いでしょう。
日本ザーネン種は、もともと乳用ヤギに最も適していますが、体重が約80㎏~120㎏になるため、かなり広い飼育スペースが必要になります。
しかし、純粋にペットとして飼うならミニヤギがおすすめです。
大人に成長しても25㎏位なので中~大型犬並なので扱いやすいです。
体長
日本ザーネン種は、約130㎝~150㎝で、体高は約41㎝~58㎝です。
性格
仔ヤギは、とても寂しがりやの性格で飼い主の後をずっとついてくる甘えん坊です。
そして、とても人になつきやすい性格です。
しつければ、トイレの場所もちゃんと覚えるようです。
また、ヤギはイヌやネコなどの他の動物とも共存することが可能です。
そして、ヤギは、もともと活発な動物なので、高い所が大好きです。
価格帯
ペットショップの場合は、牧場経由の2倍以上の購入金額になり、10万円~20万円以上します。
里親募集の購入金額は、約5,000円~100,000円と条件によってかなり差があります。
牧場での購入金額は、約50,000円~80,000円です。
一般的にヤギの場合メスの方が、10,000円程高めで去勢済のオスは同じく10,000円程高くなっているようです。
オスを購入する時に気を付けたいのは、後になって自分で去勢手術の手配をするより去勢済を選ぶ方がいいということです。
しかし、繁殖を考えているという場合ならば別です。
メスの方が高い金額になるのは、ヤギの誕生性別の割合が オス:メス= 7:3 とメスの方がかなり少ないということとミルクを採れるなどの需要があるということからです。
また、オスは去勢することにより臭いも減り、温和な性格になるので飼いやすくなります。
メスも繁殖を希望しない場合は、発情期に大声で泣いたりするのを避けるため避妊手術済を選んだ方がいいでしょう。
まとめ
ヤギは、愛らしいだけでなく、とてもよくなつく性格で体も丈夫なので飼いやすい動物です。
最近では、家畜としての需要は減る傾向にありますが、ペットとしての人気が高まってきています。
ヤギをペットとして飼うのなら十分な飼育スペースとヤギの生態を理解してから購入しましょう。