妊娠中期に当たる6か月目は、体調が安定し始め、ある程度動きやすくなる時期でもあります。
しかし、妊娠初期の頃には何もなかったのに、6か月目から始まる安定期を迎えてから便秘に悩まされてしまう人もいます。
なぜ、体調が安定し始めた安定期に便秘になってしまうのか、その原因と有効な対処方法についてご紹介していきます。
6ヶ月目の妊婦が便秘になりやすい原因とは
6か月目を迎えてから始める便秘には、色々な原因があります。
体形やホルモンの変化が影響する場合や、妊娠初期の時からの影響が原因である場合もあります。
こちらでは、主に6か月目を迎える妊婦さんにありがちな原因を紹介します。
臓器や骨格の変化によって便秘が起きている
妊娠6か月目は大きくなる子宮と赤ちゃんに合わせて、周りの内臓や骨格も大きく変化している時期です。
大きくなった子宮と赤ちゃんによって、周りの臓器が押しやられる事がある他、大きくなったお腹を支える為に、骨盤の形や姿勢も微妙に変化しているのです。
これによって、腸を中心とした消化器官にも影響が出てしまう事があります。
大きくなった子宮に腸が圧迫されると、腸が背中側へ追いやられてしまい、普段とは違う位置へ追いやられてしまいます。
そうなると、腸の働きにも影響が出てしまい、便が出にくくなってしまうのです。
また、大きくなった子宮やお腹を支える為に、骨盤も緩み始める他、大きくなったお腹や緩んだ骨盤への負担を減らす為、姿勢も崩れやすくなります。
姿勢が崩れると、崩れた分だけ腸やそれを支える腰回りに負担がかかるようになります。
こうした負担によっても、便秘が起こる事があります。
ホルモンバランスや妊娠初期の諸症状が影響している事も
この他、妊娠中に分泌されているホルモンの影響や、妊娠初期の頃に出ていた症状が原因の事もあります。
妊娠中は子宮の中にいる赤ちゃんを守る為、妊娠の状態を保つ為に黄体ホルモンが分泌されています。
この黄体ホルモンが分泌されていると、子宮に水分が集中するようになるのです。
子宮に水分が集中しやすい状態になっていると、大腸の中にある便にも影響が出る様になります。
大腸内の便から水分が積極的に吸収されてしまうので、便の水分量が減り、カチコチに固まった状態になってしまうのです。
便がスムーズに排出されるには、ある程度水分が必要ですから、その水分が足りないと便秘になりやすくなってしまいます。
便意があっても固い便が詰まって出ない場合は、このホルモンによる水分不足が原因である場合が考えられます。
また、つわりがひどくて食事や水分が満足に取れなかった場合や、特定の物しか食べられなくて栄養バランスが崩れている場合、妊娠中期にも影響が出る事があります。
水分や食物繊維が足りない状態が長く続いた時や、動く事が出来ずに運動不足の状態になっていると、妊娠中期に当たる6か月目に便秘やむくみ等の症状として出て来る事があるのです。
妊娠初期に栄養バランスの崩れや運動不足の可能性が考えられる人は、それがそのまま便秘の原因となっている可能性が考えられます。
妊娠6ヶ月(安定期)の便秘解消方法とは
妊娠6か月目に便秘が起きている場合、体形やホルモン等、自分だけではどうにもならない事が原因である事も多い為、対策しにくいと感じる人も多いかと思います。
しかし、体が便を排出しやすい状態を整えてあげれば、体形やホルモンの影響があっても便秘を改善できるようになります。
ここでは、妊婦さんでもできる便秘解消方法を紹介します。
適度な運動をする習慣を身に着ける
便秘の解消には、適度な運動が効果的です。
特に、つわりやホルモンの影響で妊娠初期にあまり動けなかった人は、体調が安定し始める6か月目から運動を始めるようにしましょう。
おすすめなのが、気分転換にもなるウォーキングです。
少し汗をかく位のペースで歩くようにするだけなので、思い立った時に気軽に行う事が出来ます。
周りの景色を楽しむようにすれば、妊娠中の不安定になりがちな精神を落ち着かせる効果も期待できます。
この他、自治体や施設によっては、妊婦さん用のスイミングやヨガのレッスンを開催している所もあります。
自分の体調や好みに合った運動を行うようにしましょう。
水分を多くとり、腸内環境を整える食べ物を食べる
この他、水分を意識的に多く取る事や、腸内環境を整える食べ物を食べるようにするのも効果的です。
水分を適度に取るようにしていると、便にも水分が行き渡り排便しやすい状態になります。
この他、腸内にいる善玉菌の力を借りるのも有効です。
腸内にいる善玉菌の働きを活性化すると、腸内環境が整い、腸の働きが向上し、便が排出しやすい体になる事が出来ます。
腸内環境を整えるには、乳酸菌が含まれている発酵食品を食べる、食物繊維やオリゴ糖等の、善玉菌のエサになる物を食べるのが有効です。
腸内環境改善には、乳酸菌よりもオリゴ糖
腸内環境を整えるには、善玉菌の一種である乳酸菌の含んだ食べ物を食べるよりも、オリゴ糖を摂取した方が良い場合があります。
乳酸菌は発酵食品に多く含まれていますが、発酵食品を食べても大腸に届く前にほとんどの乳酸菌が死んでしまいます。
乳酸菌が死んでしまってもお腹に良い成分は届きますが、腸内環境を改善するには生きた乳酸気の働きが必要です。
その為、乳酸菌そのものを摂取するよりも、お腹の中に元々いる乳酸菌を活性化させてあげた方が腸内環境には効果的です。
オリゴ糖は胃腸で分解されずに大腸へ届くのでしっかりと腸内の乳酸菌を活性化させることが出来ます。
副作用もほとんどないので、妊婦さんでも安心して使う事が出来ます。
妊娠中の便秘には、乳酸菌よりもオリゴ糖の方が向いているのです。
まとめ
安定期に入り始めた6か月目は、体やホルモン、妊娠初期の過ごし方が原因で便秘になってしまう事があります。
腸の動きを活性化させる習慣を身に着ける他、オリゴ糖を活用するのも有効です。
腸に良い習慣を身に着けて、便秘を改善していきましょう。