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世界のテクノロジー教育のリアルから日本が学ぶこと ~ロボティクスからドローンまで~ PR

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今やAI、ロボティクス、プログラミングといったテクノロジーに関する言葉を耳にしない日はないほど、その発展と実現化の事例が世界中で増えています。
過去の記事でもロボット教室に関する記事をあげましたが、今回はテーマを少し広げて今注目されている子どもたちのテクノロジー教育について、世界のトレンドをご紹介します。

欧米を中心に高まる「STEM教育」 ロボット工作からパソコンなしで育む論理思考まで?

2020年4月から日本では新教育課程の採用によって小学校でのプログラミング教育が必修化されます。人生100年時代、AIやIoTといったテクノロジーがますます当たり前に広がる社会に必要な人材の育成ということで、やっと日本でもこのような取り組みがはじまります。
プログラミング教育で目指すものは、単なる「コーディングができる人材」ではなくテクノロジー時代を生き抜く「論理的思考力」を養うことに意義があります。海外の多くの国では日本に先立って、数年前からこのような背景から子どもの教育の改革を始めています。
海外、特に欧米ではプログラミング教育ではなく、「STEM教育」が大きな注目を集めています。
STEM教育とは「Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)」の単語の頭文字をとったもので、これからの社会に必要な教育要素として注目されています。
すでにアメリカやシンガポールでは国家戦略として進められています。ちなみにこれ、「理系になれ!」と言っているのではないようです。STEM教育は、主体的・協働的な学習や目的意識、職業意識をもった学習を推進するものだそう。

イギリスを中心に、欧州でSTEM教育の一環として人気を集めているのは、Raspberry Piを使ったテクノロジー学習です。Raspberry Piは手のひらサイズの小型高性能コンピュータのこと。モニターにつなげてプログラミングをすることで、ロボット工作からカメラ、ゲームまで子どもでも簡単に始められる電子工作キットです。
欧州のカリキュラムでは子どもたちの疑問、興味関心に合わせて創作テーマを決め、その実現の一つの手段としてRaspberry Piによるプログラミングを教えています。


出所:RASPBERRY PROJECTS

また教育先進国の北欧、フィンランドでは2016年8月からプログラミング教育を始めていますが、なんとパソコンを使わずにそのカリキュラムを進めていると言います。テクノロジーの授業にパソコンを使わないとはなんとも逆説的ですね!
というのもフィンランドでは、STEM教育の本当の目的でも挙げられている「主体的・協働的な学習」「目的意識・職業意識のある学習」を実現することを第一に掲げているから。
プログラミング学習で求められる論理思考、既知の情報の組み合わせで答えを導くという教育方法を、数学、理科、社会、さらには美術や体育の授業にまで取り入れているというので驚きです。


STEM教育カリキュラムで学ぶフィンランドの子どもたち
出所:EDUNATION

子どものテクノロジー教育には、パソコンやプログラミングといったツール自体の導入ではなく、情報に溢れる社会で自分の求めるもののために正しく物事を選び取り、組み合わせることで答えを導く力が重要なのだと考えさせられます。

中国 高まるテクノロジー教育熱 親より意識の高い子どもたち?

ところ変わってアジアのテクノロジー大国、中国におけるトレンドを見てみましょう。
「中国のシリコンバレー」と呼ばれている深圳(シンセン)には多くのテクノロジーベンチャーが本社を置いています。中国最大のメッセージアプリWeChatで知られるTencentやドローン開発で注目されるDJIも深圳の企業です。もともとハードウェア生産に長けていた中国ですが、近年政府が打ち出した“Made in Chine 2025”という政策が後押しして、ロボティクス、SRAMなどの高性能メモリを搭載した電動自動車、コンピューターチップといった電子部品生産・サービス開発の世界的なリーダーになるべく、ハードウェアのみならず、ソフトウェア開発の面でも力をつけてきています。

このような影響を受けて、政府・テクノロジー企業にとって、未来の開発を担う人材を育成することは大きな課題です。プログラミング教育熱という観点では、オンラインの学習サービスを利用して農村部の子どもたちも取り組みを積極的に始めているそう。
ZDNet Japanによると、中国のプログラミング学習サービス「Kitten(編程猫)」が、2005~2009年生まれ(9~14歳)の利用者を対象としたアンケートでは学習者の9割弱が学習の動機について「自分が興味があるから」と答えたという。一方で「親や周囲の影響」と回答したのはわずか3-4%とのことです。また、親世代の3分の2はプログラミング教育について理解ができていないそうです。
中国では親世代のテクノロジー教育の理解度は低く、むしろ子どもたちのほうが社会の変化、将来求められる力を意識して自発的に行動していることが分かります。

日本でもいよいよはじまるプログラミング教育ですが、欧米や中国の子どもたちの実例から学び、子どもたちが目的意識を持ってテクノロジー学習に取り組むことができるように考えていく必要があると痛感させられます。

アフリカ 低コストドローンにみるテクノロジー教育の未来

タンザニアではドローンの活用に注目が集まっている。ドローンを使うことで遠隔地の病人に処方薬を届けたり、荷物を届けるなど期待が高いのです。必然的に子どもたちにも新しいテクノロジーに触れる機会を増やし、ICTリテラシーを高める取り組みが進められています。

アフリカで子どもたちにドローン教育を提供する際に、一番の問題になるのはコストだといいます。そこでタンザニアでは、竹で作ったドローンの生産の検討が進められています。
機体の竹はコストゼロ。また、3Dプリンターで作られた部品も含まれており150USドルで用意ができてしまうそうです。子どもたちが万一、ドローンを壊してしまっても修理費は安く済みますし、低コストの生産ができるおかげでより多くの子どもたちにICT教育の機会を与えることができます。
タンザニアでNGO団体Uhurulabsを運営するMbuya氏によると「ブロックチェーン、3Dプリンター、そしてドローン」が今後の注目のテクノロジーになるとのこと。
将来的にはドローンを農業、マッピング等の分野で活用したい考えだそうです。


竹で作られたドローン (撮影:Evan Ackerman氏)
出所:IEEE SPECTRUM

いかがでしたでしょうか。世界の国々ではその社会需要に合わせてそれぞれの形でテクノロジー教育が推進されていることを知っていただけたら嬉しいです。

子どもたちの自律的な学びのために、持続可能なテクノロジー教育の機会をサポートしていきたいものですね。







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