中国の漢方薬を始め、世界各国で民間薬として使用されてきた生姜。
生姜単独で使用しても十分に効果は得られますが、「生姜+〇〇(他の食材)」で効果が何倍にも飛躍すると言われています。
生姜と相性の良い食材とは、いったい何でしょうか?
また、どのような相乗効果が期待できるのでしょうか?
ここでは、生姜と食べ合わせの良い食材とその効果についてまとめてみました。
生姜と生魚の食べ合わせ・効果
「生姜と生魚」の食べ合わせは非常に相性が良いです。
それは、生姜が持つ殺菌作用とにおい消し作用があるからです。
生の生姜に含まれるジンゲロールという辛味成分には、強い殺菌作用があります。
殺菌作用を持つ生姜を生魚に備えることで食中毒の予防に繋がります。
サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌といった食中毒菌に対する殺菌効果だけでなく、風邪のウイルスや気管支炎を起こす細菌類など、広い範囲で殺菌作用を発揮します。
お寿司のネタである青魚(アジやサンマ、イワシ)の上に細かく刻んだ生姜がのっているのは、青魚に対して大きな効果をもたらします。
それは、生臭さを放つ青魚のにおい消し効果が、生姜にあるからです。
生姜の持つ強い殺菌力とにおいを取る作用のおかげで生魚を安心していただくことができます。
漢方には、【相畏(そうい)】という食べ合わせの考え方があります。
“一つの食材の副作用(毒性)を他の食材によって軽減されること”という意味合いです。
これは、「生姜と生魚」の関係そのものではないでしょうか。
生姜と黒砂糖の食べ合わせ・効果
体を温める作用に関していうと「生姜と黒砂糖」はとても相性の良い食材です。
一緒に摂ることで体温が上がり、免疫力向上と基礎代謝アップが期待できるからです。
加熱や乾燥させた生姜に多く含まれるショウガオールは、体全体の血行を良くし、体を芯から温める作用に優れています。
そんな生姜の効能をさらに高めるのが黒砂糖です。
漢方には、【相使(そうし)】と呼ばれる食べ合わせに対する考えがあります。
“一つの食材をメインとし、他の食材がメインの効能をより一層高める働きがある”という関係性を表している考えで、「生姜と黒砂糖」の組み合わせがこれにあたります。
生姜と黒砂糖を一緒に摂ることで、体温の温め作用がますます持続します。
体温が上がることで免疫力が向上し、基礎代謝もアップします。
免疫力が高まれば、風邪を引きにくい体質になります。
基礎代謝がアップすれば、消費エネルギーが格段と上がり、太りにくく、痩せにくい体質に変わっていくことが期待できます。
生姜と黒砂糖を簡単に摂る方法として、“黒糖入り生姜紅茶”はいかがでしょうか。
生姜紅茶の作り方は、温かい紅茶に生姜を入れて、そこに黒砂糖を入れるだけ。
紅茶に入れる生姜は、加熱や乾燥した生姜を使った方がショウガオールをたっぷり摂れるのでおススメです。
生姜と梅の食べ合わせ・効果
「生姜と梅」の食べ合わせは、胃腸を元気にしたい人、老化防止や美肌改善を目指したい人におススメです。
生姜と梅の作用は、とてもよく似ています。
同じ作用を持つ者同士を一緒に摂ることで相乗効果が生まれやすいのです。
まず、生姜と梅は、抗酸化作用に優れているところが似ています。
加熱や乾燥した生姜に含まれるショウガオールは、シミやシワを予防し、美肌を維持するのにとても効果的な成分です。
ショウガオールには、“若返りビタミン”と呼ばれるビタミンEの3倍もの抗酸化力パワーが備わっているからです。
梅に含まれるポリフェノールの一種「梅リグナン」という抗酸化成分が含まれています。
梅リグナンは、細胞組織への酸化を抑制する働きがあります。
梅の酸っぱさの元であるクエン酸は、肌の新陳代謝を促進し、体内に溜まった老廃物を排出するデトックス作用があります。
梅干しをお湯で割った“梅湯”という飲み物が、今女性たちの間で流行っています。
これは梅の美容成分に大いに関心が集まっている証拠でもあります。
このように生姜と梅には抗酸化パワーが十分に入っており、生姜と梅を一緒に摂ることで美肌、アンチエイジング作用がますます高まっていきます。
美肌効果を求めるなら、梅湯にショウガオールたっぷりの加熱や乾燥生姜を入れて飲んでみてはいかがでしょうか。
そして、生姜と梅の似ている点として、健胃作用にも注目です。
生姜と梅には、胃腸の壁の血流促進し、胃腸を丈夫にする働きがあります。
現在、7種類の潰瘍を予防する成分が認められており、胃潰瘍の原因とされるピロリ菌を殺菌する作用があることが分かっています。
健康な胃を保ちたいという人はぜひ「生姜と梅」の食べ合わせをおススメします。
生姜とキャベツの食べ合わせ・効果
「生姜とキャベツ」は、食べ過ぎや飲み過ぎ、胃が疲れているときなど、胃の調子が悪いときにおススメしたい食べ合わせです。
キャベツには、キャベツ特有のビタミンU(別名キャベジン)を多く含んでいます。
ビタミンUは、胃の粘膜を保護や修復したり、消化性潰瘍の治療にも用いられています。
胃もたれやストレスによる胃痛を和らげる作用もあり、まさに天然の胃薬といって過言ではありません。
生姜にも健康な胃にする作用があります。
生姜に含まれる辛味成分ジンゲロンは、胃液の分泌を活発にし、消化をスムーズに行うような作用があります。
このような生姜とキャベツの健胃作用を利用してキャベツ入りの生姜スープがおススメです。
消化が良いキャベツと生姜のさっぱりした温かいスープで胃の調子を整えことができます。
食べ過ぎ、飲み過ぎで胃が疲れているときはもちろん、脂っぽい食事に合わせて食べても胃の調子を整えるのに効果的です。
生姜と玉ねぎの食べ合わせ・効果
「生姜と玉ねぎ」の食べ合わせにより、血液サラサラにする効果があります。
これは玉ねぎに含まれる硫化アリルという刺激成分のおかげです。
硫化アリルは、血液の流れを良くし、血栓ができにくくするよう働きます。
また、血糖値を下げる働きもあります。
生姜も玉ねぎと同じように、血液サラサラ効果があります。
他にも、血管を広げる作用、心筋の収縮力を弱める作用が備わっています。
これらの作用により、血液を流れやすくし、血管にかかる圧力を調節することができます。
そんな生姜と玉ねぎを一緒に摂ることによって高血圧や糖尿病などの予防に大きく貢献できるというわけです。
また、玉ねぎと生姜には、免疫力を高める成分が入っています。
玉ねぎには、イソアリンとセレン、生姜にはジンゲロールです。
生姜のジンゲロールには、発汗や解熱作用があるので、風邪の引き始めにも効果的です。
玉ねぎをたっぷり使ったスープやお味噌汁に生姜を入れるなどしていただくと風邪や疲れが回復していきます。
生姜とレモンの食べ合わせ・効果
「生姜とレモン」は、美肌づくりとダイエットに効果のある食材です。
加熱や乾燥生姜に含まれるショウガオールは、“若返りビタミン”と呼ばれるビタミンEのなんと3倍もの抗酸化作用があります。
シミやシワの元とのなる活性酸素を除去し、ハリのある若々しい肌をキープします。
ショウガオールは、体温め力が優れており、基礎代謝をアップする働きもあります。
また、加熱や乾燥生姜に含まれているジンゲロンという成分には発汗や脂肪を分解する作用があります。
生姜は低カロリーで食物繊維も豊富です。
糖の吸収を抑えて、脂肪を溜め込まずに排出する作用も期待できます。
そして、レモンと言えばビタミンⅭが豊富なことでも有名ですよね。
ビタミンⅭは、コラーゲンの生成やメラニン色素の抑制作用があることから、たるみやシミを防ぎ、肌に弾力を与えてくれる作用があります。
レモンの酸味成分であるクエン酸には、栄養素を効率よくエネルギーに変える作用があるのでダイエットに有意義に働きます。
このように生姜とレモンは、美肌づくりとダイエットに欠かせない食べ合わせです。
この生姜とレモンを合わせた“レモン入り生姜紅茶”は、いかがでしょうか。
紅茶の中にショウガオールたっぷりの乾燥、加熱生姜を入れて、レモン汁を入れるだけ。
お好みで蜂蜜や黒砂糖を入れるとなお美容に良さそうです。
生姜とレモンを上手く生かして、シミやシワができにくい肌、痩せやすい体にしましょう!
まとめ
以上が、生姜と食べ合わせの良い食材とその効果のご紹介でした。
生魚、黒砂糖、梅、キャベツ、レモン、どれも身近にある食材ばかりです。
生姜と一緒に摂るだけで、効能がさらにパワーアップ!
気になる症状に合わせて、ぜひ、生姜との食べ合わせをお試しください。