じんましん・湿疹・水疱など皮膚に出来る発疹にはさまざまな種類があります。
中には発疹が前触れもなく急に現れて「どうしようもなく体がかゆい!」となることがあります。
発疹が現れる原因には接触性のものや病気が関わっていることがありますが、実はストレスとも深い関わりがあるのです。
ではストレスによる突発的な発疹とは、一体どのような症状なのでしょうか。
ストレスによる突然の発疹・赤み・かゆみとは
発疹が皮膚に出ると、「紅斑(こうはん)」という赤いぶつぶつや、皮膚がもり上がる「膨疹(ぼうしん)」といった症状が現れます。
これらはかゆみや痛みを伴い、掻いてしまうことでより症状が広がります。
通常湿疹が起こる原因には特定の物質に接触することによるアレルギー反応が多く、例えばアクセサリーなどの貴金属・合成化学物質・漆やアロマオイルなど植物成分などが挙げられます。
アレルギーの対象は子どもの場合、遺伝による体質的なものや食べ物によるアレルギーが多いです。
大人ではハウスダストなどのカビ、ダニ、ホコリなどによるアレルギーが多いといわれています。
また、よく似た症状の蕁麻疹(じんましん)の原因には、虫刺されによるものや汗や湿気、特定の食べ物によるアレルギー反応などがあります。
何かに触れたわけでもないのに発疹が出てしまうというストレス性の発疹。
いきなり起こるその原因は何なのでしょうか。
発疹・蕁麻疹がストレスで起きる原因とは
湿疹
ストレスによって湿疹が出てしまう原因は、ストレスによって免疫力の低下や皮膚の乾燥が進むことにあります。
外からの異物やアレルギー物質に対するバリア機能が低下することで、アレルギー反応を起こしてしまい湿疹として現れるのです。
ストレスの影響は胃や腸などの消化器官にも起こり、消化による臓器の蠕動(ぜんどう)運動が上手くいかなくなってしまうと湿疹が出てしまうことがあります。
また、蠕動運動が上手くいかないことで便秘の原因ともなり、腸内に有毒ガスが発生してしまうことになります。
体内に残った有毒ガスは血液とともに体を巡るため、更に湿疹がおきやすくなるという悪循環を引き起こします。
そしてストレスは交感神経と副交感神経から成る自律神経のバランスを乱してしまう原因にもなります。
自律神経のバランスが崩れると手や足の裏、わきの下、頭、背中などから多汗症を起こすことがあります。
こうして部分的に大量に汗をかくと、そこが蒸れてかゆみを伴う湿疹が現れることがあります。
蕁麻疹
蕁麻疹の原因は、食べ物、薬、気温や環境の変化、疲れなどのさまざまな要因が絡み合っているため、一つに特定することは難しいようです。
ただし皮膚が刺激を受けると肥満細胞から分泌されるヒスタミンなどの化学伝達物質が、かゆみを伴う蕁麻疹の発生に関わっていることが分かっています。
皮膚には蕁麻疹の原因にもなる、ヒスタミンを蓄えるマスト細胞と呼ばれる細胞があります。
ストレスによって皮膚が刺激されるとマスト細胞はヒスタミンを放出し、ヒスタミンが分泌されると血液中の血漿(けっしょう)成分が血管の外に出されて皮膚に腫れを作ります。
同時にヒスタミンがかゆみを知覚する知覚神経に作用するため、その刺激がかゆみを引き起こしまます。
ストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れるとヒスタミンの分泌が活発になるため、ストレスが蕁麻疹の一因だと言えるでしょう。
これらストレス性の湿疹や蕁麻疹は、発症と再発が繰り返されることがあります。
では、正しい対処方法を見て行きましょう。
ストレスによる発疹・蕁麻疹の対処法
発疹が出来るはっきりとした原因が見当たらない場合や、繰り返し頻発してしまう場合は、その原因はストレスによるところが大きいと考えられます。
体は変化に敏感なので、環境が変わったりプレッシャーを感じる状況が起こったりするだけでも皮膚に異常が現れることがあります。
湿疹や蕁麻疹らしき症状が見られた場合は、まずは何が肌を刺激しているのか突き止め、その原因を避けることが先決です。
湿疹や蕁麻疹はかゆみを伴いますが、その場合はかゆみが出た場所を冷やすなどして引っ掻いてしまわないよう気をつけてください。
かゆみを我慢するのが辛い場合、症状がひどい場合は病院にかかりましょう。
症状別に抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイドなどが処方されるため一時的な対処としては威力を発揮します。
ただし薬物治療は眠気が起こったり、集中力が散漫になってしまったりといった副作用が起こることがあります。
必ずお医者さんに相談しながら治療に当たりましょう。
また発疹の原因がストレスだと思い当たる場合は、根本原因となるストレスを上手に発散させることが治療の第一歩です。
ストレスを取り除く方法
自律神経を整える簡単な方法として、呼吸法があります。
人はストレス下に置かれると交感神経が活発になり、呼吸が浅くなって心拍数が上がります。
しかし、呼吸を利用して副交感神経を優位にすることができます。
それが「深呼吸」腹式呼吸です。
鼻からゆっくりと限界まで息を吸い込み、ゆっくりとお腹が空っぽになるまで吐き切ります。
2、3回繰り返すことで気持ちが落ち着くのを感じられるでしょう。
その他にも、バランスの取れた食事で栄養素をしっかりと補給できると自律神経を整えるのに効果的です。
ストレスの原因は内面的な部分だけでなく、気温や住環境にも左右されることもある総合的なものです。
ストレスの原因が分からない時は、家族や友達に話を聞いてもらって客観的な意見を聞くのも良いでしょう。
発疹が出てしまったときに大事なことは、かゆみから皮膚を引っ掻いてしまわないことです。
皮膚を掻くことで更に症状が悪化する場合がありますので、早めに皮膚科で見てもらうことをおすすめします。
まとめ
以上、発疹の原因とその対処方について見てきました。
ストレス性の発疹は繰り返し起こりやすく、その原因がストレスであるとは最初は分からないものです。
ストレスを溜めることが更なる症状悪化に繋がります。
症状が長引いたり、悪化したりする場合は専門医に相談してみることも大切ですよ。