臨月はいつ赤ちゃんがお腹の中から出てきてもおかしくない時期です。
人によっては、この頃から入院する人も多いでしょう。
また、今まで何ともなかったのに、この時期になって便秘になってしまう人もいます。
今回は、臨月の時に便秘が起こる原因と、その対処方法を紹介します。
臨月の妊婦が便秘になりやすい原因とは
臨月の頃、お腹とその中にある子宮は赤ちゃんに合わせて大きくなっています。
臨月時の便秘は、この大きくなった子宮とお腹が原因である事が多いです。
大きくなった子宮やお腹によって、その周りにある臓器は常に圧迫されるようになります。
腸は子宮のそばにあるので、特に影響を受けてしまうのです。
子宮に圧迫され、腸自体も背中側に追いやられてしまいますので、その分動きが鈍くなります。
また、腸の周りにある血管や筋肉も圧迫による影響を受けてしまいます。
圧迫された血管は血流が衰え、腸に必要な分の栄養や酸素を届ける事が出来なくなってしまいます。
これは、腸の動きが鈍くなる原因となります。
また、腹筋や腸のぜん動運動を行う筋肉も、通常の働きが出来ない為、便を排出する力が弱まってしまいます。
お腹が大きくなる臨月の時は、腸の動きが低下しやすい状態にある為、便秘になってしまう人が多いのです。
また、臨月を迎えるとトイレで力む事が難しくなっていきます。
不用意に力んでしまうと子宮にも圧がかかり、子宮が開いてしまう事もあります。
医師からも、こうした事態に対して注意するように指導を受ける為、トイレに行っても力む事が出来ず、便がうまく排泄できない状態になってしまうのです。
大きなおなかを書かけた状態で用を足すのが難しい為、トイレに行くのを我慢してしまうのも、臨月の便秘を引き起こす原因となります。
便意が来ているのに便を出さない状態が長く続いてしまうと、直腸で便が詰まり、固くて大きな便が直腸内に出来てしまいます。
お腹の中に便があるのが当たり前の状態になる為、便意も次第に感じにくくなってしまうのです。
これは直腸型便秘と呼ばれる便秘の症状で、習慣化しやすいタイプの便秘と言われています。
出産後も便秘の症状が続いてしまう事がありますので、便が常にお腹の中にある感覚がする人や、便意を我慢する習慣がついてしまっている人は、早めの対策が必要です。
臨月の便秘解消方法とは
臨月の時の便秘は、普段から腸の機能を向上させてあげる事が大切になります。
便が出やすい状態を整えるには、水分補給をこまめに行う事や、食物繊維やオリゴ糖等の腸の動きを助ける食材食べる事が大切になります。
直腸型便秘を避けるには、便意を感じたら我慢せずにトイレに行く事や、毎日決まった時間にトイレに行って排便する習慣をつける事が大切です。
ある程度便を出す時間を作ってあげると、腸も自然と便を排出するようになっていくようになります。
体に負担をかけずにできる便秘対策なので、ぜひ実践してみて下さい。
この他、どうしても便秘でお腹が痛い時や、肛門付近で便が詰まって出ない時は、医師の診察を受けるようにしましょう。
臨月の時は、流産や予定しない陣痛を引き起こしてしまう可能性がある為、市販されている便秘薬や下剤は使用してはいけません。
しかし、産婦人科で相談すれば、妊婦さんでも使用できる薬をもらえる事があります。
この他、便を直接かき出す摘便といった処置を受ける事が出来る場合もあります。
薬や処置をしてもらえない場合でも、妊婦さんや赤ちゃんの状態合わせたケアの仕方を教えてもらえますので、気軽に相談してみましょう。
腸内環境改善には、乳酸菌よりもオリゴ糖
臨月の時に起こる便秘は、なってしまうと対策が大変です。
お腹の赤ちゃんや自分の体調に合わせた対策を考える必要がある上に、薬等の手軽な対策を使用する事が出来ない為です。
臨月の時に起こる便秘は、なってしまった時の対策よりも、便秘にならない対策の方が重要になります。
便秘対策の中でも、妊婦さんの体に負担をかけない方法が、腸内環境を整える事です。
人のお腹の中には、無数の細菌が存在し、様々な働きをしています。
その中でも、消化活動を助ける、腸の機能を向上させる、腸内にいる悪い菌の働きを抑えるといった働きをする菌類を、善玉菌と言います。
腸内環境を整えるには、この善玉菌を増やし、活動しやすい状態にする必要があります。
善玉菌を増やすには、善玉菌の一つであるビフィズス菌や乳酸菌を取り込む方法がありますが、妊婦さんにはこの方法は難しい場合があります。
乳酸菌を含む食材の中には、妊娠中には避けた方が良い食材やにおいが強い食材が多く、体に負担をかけないものを選ぶのが難しいのです。
妊婦さんの場合、善玉菌を取り込む方法よりも、善玉菌のエサとなる食材を摂取して、腸内に元々いる善玉菌を活性化させる方法の方が安全です。
善玉菌のエサとなる食材の中でおすすめなのが、オリゴ糖です。
オリゴ糖はお砂糖の一種で、胃や小腸では消化されずに大腸にそのまま届きます。
そして、善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やし、活性化させる効果があるのです。
お砂糖なのでにおいもほとんどなく、ほんのりと甘いだけなので、妊婦さんでも無理なく摂取出来ます。
普段の飲み物や料理の中に、お砂糖と同じ要領で使う事が出来るので、手軽に腸内環境を整える事が出来ます。
体に負担をかける成分も入っていないので、体への負担もほとんどないのです。
臨月の場合、大きくなったお腹に圧迫される事で腸の機能が低下してしまいますが、この時にオリゴ糖を取っておけば、腸内の善玉菌が腸の動きを助けてくれるので、便秘を予防する事が出来ます。
便秘になる前からオリゴ糖を取って、便秘予防もしっかりと行って下さい。
まとめ
臨月時の便秘は、お腹が大きくなる事で腸の機能低下や、トイレを我慢してしまう事で起きてしまいます。
便秘があまりにもひどい場合は我慢せず医師の診察を受けましょう。
また、便秘になる前からオリゴ糖で予防対策をする事も大切です。
